【物流のお仕事】ハンディを使うお仕事って?メリット・デメリットまで徹底解説!

2020.05.01掲載
物流のお仕事関連

皆さんはハンディターミナルについてどれくらいのことをご存知でしょうか?耳慣れない単語かも知れませんが、日常生活の中で知らず知らずのうちに見かけているのがハンディターミナルです。最もなじみ深いケースとしては、コンビニエンスストアが例にあげられます。店員さんが片手にリモコンのような機械を持ちながら、陳列棚の商品をカウントしている姿を見かけたことはありませんか?
その機械が「ハンディターミナル(以下ハンディ)」と呼ばれる専用端末です。ハンディは小売店や物流倉庫、飲食店のテーブル注文など多岐にわたる業種で広く使用されています。宅配業者さんが配達の際に、データを入力したりシールを印刷している端末もハンディの一種です。また、病院などの医療現場で診療履歴管理や投薬ミス等の医療過誤防止にも活用されています。用途や機能はさまざまですが、素早く正確にデータを収集し業務を効率化させる目的で今後も導入される事例は増えていくと予想されます。これまでハンディを使ったことがない職場でも、新しく活用する機会が生じるかも知れません。今回はそんなハンディについて、機能やメリット、取り扱う際の注意点などをまじえてご紹介していきます。

【ハンディとは?】

ハンディターミナルのことを略して「ハンディ」と呼んでいます。
その名の通り「ハンディサイズの片手で持ち歩けるデータ収集端末(ターミナル)」のことを一般的に指します。ではハンディにはどんな機能があり、どのような現場で使われているのでしょうか。

・ハンディの主な機能まとめ

ハンディの種類やスペック等は機種によって異なりますが、基本的には次のような機能を備えています。

1.バーコードの読み取り機能
バーコードや2次元コードを読み取り、データ化します。

2.キー操作による入力機能
数量などの入力では、電卓のようにテンキー操作でデータを打ち込みます。

3.画面表示機能
読み取ったデータの内容確認や修正に使用します。

4.データの送受信機能
無線でデータの送受信を行います。パソコンなどにリアルタイムでデータを送信できるため、即時性を持ってデータ管理することが可能です。

5.バッチ機能
読み込んだデータをすぐに送受信せず、一旦ハンディ内部に蓄積します。手元のデータをリアルタイムで反映させる必要のない業務や、無線環境を構築できない現場などで役立つ機能です。バッチ機能には大容量のメモリが必要となります。

・ハンディによる効率的なデータ管理

ではハンディでどのような効果が期待できるのでしょうか?ハンディを使うことで、まず在庫数のデータ管理などが格段に効率化できます。伝票による集計では、棚卸しや入出庫管理の作業後に改めてパソコンにデータ入力を行う必要があり、集計結果はリアルタイムで確認することができません。しかし、無線タイプのハンディを使えば、集計はリアルタイムでパソコンに反映されるためタイムラグなしに在庫数を確認することも可能です。また、自動転送でデータをパソコンやサーバに保存していれば、手動転送のし忘れなどの人為的ミスを減らすことができます。

・ハンディを使う仕事とは

ハンディは多様な業種で活用されており、その機能もさまざまです。ここでは情報管理にハンディを使うお仕事について、代表的な事例をいくつかご紹介していきます。

1.倉庫内のピッキング
ネットショップの出荷業務などでハンディを使用します。バーコードを読み取って出荷指示のデータと照合することで、品物のピックアップ作業を迅速かつ正確にすすめることができます。

2.物流センターの入出庫管理
物流センターでの入出庫管理にもハンディを使います。バーコードを読み取り記録することで、「いつ」「どこに」「何が」入ってきたのかを正確に記録し管理することができます。

3.小売店の在庫管理・棚卸し
コンビニやアパレルショップ、書店などの小売店で、在庫管理や棚卸しの作業に使われています。バーコードで商品の数や種類を効率的に管理することが可能です。各店舗だけでなく、全社的に情報を管理することで効率的な仕入れや販売戦略に活用されています。

4.病院や薬局などの医療現場
ハンディと院内情報システムを連携させることで、投薬ミスや医療過誤を予防します。また、バーコード管理によって患者情報を管理し、ミスを防ぐとともに医師や看護師の業務負担を減らす側面も期待されています。

・ハンディによって業務効率化がすすんだ事例

1.商品の棚卸し業務
小売店などでは、定期的にどんな商品がいくつ店舗に残っているのか把握する必要があります。たくさんの商品を取り扱っているお店では、棚卸し業務がスタッフの大きな負担になっていることも珍しくありません。手書きで商品コードを伝票に記入し、さらに後でパソコンに入力するとなると、労力も時間も多大なものになります。その上、せっかく手書きした文字が判読できなかったり、伝票からパソコンに打ち込む際に入力ミスが起きたりする可能性があります。
そんな棚卸し業務の悩みを一掃し、大きく効率化できるのがハンディ端末による商品管理です。ハンディでバーコードを読み取りデータ化することで、手書き伝票が不要になります。あらかじめ登録された商品情報と照合するので、間違った商品コードを記入するミスを防止できます。また、在庫数をカウントしてハンディに入力すれば自動転送でデータが保存されますので、伝票を紛失して同じ商品を再度数えなおすなどの二度手間を防げるメリットもあります。

・誤出荷防止の検品業務

ハンディを使えばバーコードを読み取るだけで品目の照合が可能となるため、チェックミスなどのヒューマンエラーを予防できるという大きな利点があります。例えば色やサイズなど、一つの商品でもたくさんのバリエーションがある品物は目視検品の限界があります。ハンディを導入することで、検品作業の確度を向上し誤出荷を減らすことが可能となります。

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【ハンディを使う際に気を付けること】

ハンディの使い方で最も注意する必要があるのは、テンキー操作による数量入力です。バーコードを読み取るため商品の取り違いミスはごくごく稀ですが、在庫数の入力はヒューマンエラーが起こりやすいポイントです。入力した数値は画面に表示されますので、データを送信する前にチェックすることが重要になります。ここではハンディの操作方法を見ていきましょう。

・ハンディの操作方法

種類によって機能やスペックにも大きな違いがありますので、物流業界などで使われることが多い一般的なタイプを例にとって説明します。また、使う目的によっても操作方法は変わってきます。ここでは「棚卸し業務」と仮定して基本的な使い方をご案内します。

1)ハンディのメニューを「棚卸し」に設定します。
2)商品のバーコードをスキャナ部分で読み取ります。この時にカメラのシャッターを切るようにトリガーキーを押します。
3)正常に読み取れたらピッと電子音が鳴り、液晶画面に読み取り内容が表示されます。
4)数量を入力してエンターボタンを押します。データが自動転送されパソコンやサーバーに保存されます。バッチ機能を使っている場合は端末内のメモリに保存されます。

多くのハンディ操作では、1)~4)を繰り返していくようなイメージです。それほど難しくはありませんので、初めて使う方でも何回か練習すればすぐに覚えられそうですよね。

・ハンディ操作の注意点

バーコードを読み取るので、商品の取り違いミスはあまり発生しません。しかし、気を付けなければいけないポイントがあります。商品に付けられたバーコードがもともと間違っている場合です。見た目の良く似た商品の場合は、目視検品をすり抜けて間違ってそのまま出荷してしまう恐れがあります。ハンディによる商品管理は最初に登録するバーコード情報が間違っていないことが前提になるため、細心の注意が必要になります。

【ハンディ操作中の困った「あるある」】

ハンディを使っている時に「あるある」な困りごと。その解決方法も合わせてご紹介します。

・ハンディがバーコードに反応しない

1.バーコード印字部分に光が反射していませんか?
角度を調節すると解決できる可能性が高いです。
バーコード面との距離が近すぎても遠すぎてもうまく読み取れないことがあります。バーコードリーダーを適切な位置に合わせれば読み取りができるようになります。

2.バーコード面に汚れが付いていませんか?
商品のバーコード面の汚れを拭き取れば読み取れるようになります。
スキャナー部分に埃や汚れが付着してハンディが反応しなくなるケースもあります。スキャナーをエアブラシや乾いた布などで掃除するなどの処置で改善できます。

・ハンディのボタンの押し間違い

せっかくきちんとカウントしても、テンキー操作時に入力を間違うと正しい集計結果になりません。入力した数値は画面に表示されますので、エンターボタンを押す前に、もう一度確認することが大切です。
もし、間違ったデータを送信してしまったとしても、前のデータを読み出して修正することができる端末もありますので、慌てず焦らず一つ一つの作業を確認しながらすすめていけば安心ですよ。

・もしもハンディを落としてしまったら?

ハンディターミナルは精密機器ですので、落下の衝撃が不具合や故障の原因になってしまう場合があります。ある程度の衝撃には耐えられるように設計されていますが、丁寧な取り扱いを心掛けましょう。落下防止のストラップが付いているハンディは、しっかりと装着してから作業することで事故を未然に防ぐことができます。高所での作業が多い職場などでは、落下による故障のリスクに備えて衝撃耐性の高いハンディを導入している場合もあります。

【ハンディを使う仕事で求められるスキル】

初めて触れる端末は、操作方法などが心配ですよね。どんなスキルが必要なのか、何に気を付ければ良いのかポイントを押さえて解説していきます。

・速さと正確さ

ハンディを使う業務で最も重要なのは、速さと正確さの2点に尽きます。物流倉庫やネットショップの商品出荷、小売店の棚卸し等、いずれの職場もスピード感と確実性が求められる仕事です。両立するのは難しい要素ですが、ハンディを使った業務をする際にはこの2つを念頭に置いて取り組むことが大切です。

・焦りは禁物

どんな仕事にも言えることですが、数量を管理する業務ではとくに「焦りは禁物」です。時間に追われていたり、ハンディ操作に慣れてきても確認作業をおろそかにしない慎重さが求められます。慌ててしまいそうになったら、一度深呼吸してみるなどして気持ちを落ち着けてくださいね。入力した数値をその都度確認してから送信するなど、一つ一つの作業を確実にこなしていきましょう。

・ハンディを使う仕事に向いている人

こつこつと作業をすることにやりがいを感じるタイプの人におすすめの仕事です。積み上げてきた作業の最後に、在庫数がぴったり合致すると大きな達成感が味わえます。スピードに自信がなくても心配しないでください。正確で丁寧な仕事が得意な方にはおすすめの業務です。作業スピードは経験を積めばある程度自然にアップしていきますから、焦らなくても大丈夫です。

【ハンディに代わるデバイスの登場】

体に装着できる「ウェアラブルデバイス」と呼ばれる端末も、近年導入が広がってきています。これまで「持ち運ぶ」ものだったモバイル端末を、これからは「身に着ける」ことでもっと便利に活用できます。

・ウェアラブルデバイスとは?

バンドで手首や腕などに装着することで、両手が自由に使えるのがウェアラブルデバイスの最大の特長です。手に持つ必要がありませんので、両手を使ってスムーズに作業することが可能です。また、常に身に付けているので落下故障などの心配から解放されます。スマートフォンと同様にタッチパネル式の液晶画面を搭載しているモデルが多く、直感的な操作が可能で初心者にも使いやすい端末となっています。

・高機能化が進むハンディ

ニーズに合わせた機能が次々に開発され、高機能なハンディターミナルが続々と登場しています。

1.高性能読み取りモジュール搭載タイプ
かすれや滲み、汚れのあるコードも瞬時に認識できて、ストレスのないスキャニング作業が可能です。
OCR機能で文字情報をそのまま取り込めるモデルは、賞味期限などの管理で活躍します。

2.マルチスキャン対応タイプ
多段バーコードや種類の異なるバーコードを一度にまとめて読み取ることができます。

3.学習機能搭載タイプ
使うたびに読み取り性能が自動でアップし、作業の効率化に効果を発揮します。

4.堅牢性を備えたタイプ
屋外などの厳しい条件でも使用に耐えるよう、粉塵や水滴に強い性能を実現しています。また、高所からの落下衝撃に耐える強固なボディの製品も販売されています。

5.読み取れる距離に幅があるタイプ
数メートル離れた距離のバーコードを読み取れる機能を搭載したモデルも登場しています。背伸びやしゃがみ込みなどの不自然な体制で、体に負担をかけることなく作業することができます。

まとめ

一口に「ハンディターミナル」と言っても、使い方や機能、活用シーンもさまざまですね。そんな多種多様なハンディですが、共通していることがあります。それは「業務を効率化し、生産性を向上させる」ために導入しているという点です。OSを搭載したモデルや端末同士での通信ができるモデルなど、高機能な製品が続々と登場していますが、今後もさらに進化していくことは間違いありません。データ管理や業務の見える化・効率化が、企業の生産性向上と密接に結びついている昨今、ハンディターミナルはますます仕事に欠かせないツールとなっていくでしょう。

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