【事務のお仕事】経理事務ってどんなお仕事?作業内容や評判をまとめて解説!

2020.05.01掲載
事務のお仕事関連

事務職の中でも安定した人気を誇るのが経理事務のお仕事です。
専門性が高そうなイメージの経理事務ですが、未経験からでも就職できるのか気になっている人も多いのではないでしょうか。実務経験がないとハードルが高いと言われる経理事務ですが、未経験者歓迎の求人募集を見かけることも多いですよね。経理未経験から経理事務へとキャリアアップした事例を実際に目にすることもあります。では、未経験から経理になるためには何が必要なのでしょうか?今回は、経理事務に必要なスキルや適性、資格についてご紹介しながら、業務内容なども合わせて解説していきます。

【経理事務の業務範囲】

一口に経理事務と言っても、企業によって業務範囲がさまざまなのが特徴です。会社によっては総務的な仕事が含まれている場合もあります。ここでは、一般的な経理事務の業務内容をご紹介していきます。

・経理事務の仕事について

経理事務の仕事を一言で表すならば「会社経営に関わるお金の管理をする」業務です。社内の経費、社員の給与をはじめ、現金の出納管理や銀行の残高確認、仕入れ管理や買掛金の管理、売上に関する管理など業務の内容は多岐にわたっています。納品書・請求書・領収書などの発行や整理仕分けなども経理事務の仕事です。業務の種類は大きく「日次業務」「月次業務」「年次業務」の3つに分けることができます。未経験でのスタートの場合、まずは日次業務から始めて、月次業務、年次業務とステップアップしていくのが一般的です。経理部の仕事は、最終的には年一回の年次決算に集約されます。

1.日次業務
・現金・現預金の管理
・納品書・請求書・領収書の発行、チェック、仕分け
・経理システムへの入力
・伝票起票
・社員の立替経費の精算や払い出し
など

2.月次業務
・取引先からの入金確認
・取引先への支払い処理
・請求書発行
・月次決算
・給与計算・支払い
など

3.年次業務
・年次決算
・連結決算
・税務申告
など

大きな企業の場合は経理・財務・決算など分野で仕事を分けていることが多く、対照的に中小企業や個人店舗などは、一人で幅広い業務を担当するケースが増えます。

・経理業務を外部委託する企業の増加について

近年、経理のアウトソーシング化について注目度が上がっています。自社の社員が対応しなくても問題のない間接業務を外部化すれば、コストを軽減することができ、効率的な経営を目指す企業にとって大きなメリットとなります。また、高い専門性と豊富な知識を享受できる魅力もあります。限られた社内のリソースを本質的な企業活動に専念させたいというニーズは、これからも増加傾向にあると考えられます。
しかし、アウトソーシング化は利点ばかりではありません。経理業務のノウハウが社内に蓄積されない、柔軟でタイムリーな対応がされにくい等のデメリットにもしっかりと視点を向ける必要があります。

【経理事務のお仕事を続けるには】

憧れの経理事務を目指すからには、長くその仕事を続けたいですよね。
「始めてみたら想像と違った」
「もしかして自分は経理に向いていないのかも」
そんな悩みに陥らないためにも、前もって経理事務への適性をチェックしてみましょう。業務に必要なスキルを事前に勉強しておくことはもちろん、実務イメージをあらかじめ掴んでおくことも大切です。

・経理事務に必要なスキルとは

パソコンスキルについては、ExcelやWordの基本操作ができれば大丈夫です。もちろんMOSなどの資格を有していれば、実際の業務で大いに役に立つことは間違いありません。使用する経理ソフトや会計システムは、それぞれの企業によって異なりますので、実務につきながら使い方を習得していけば問題ないというケースがほとんどです。
経理事務のスキルとして評価が高く、採用時にも重要視されるのは日商簿記の資格です。

・経理事務に向いている人

ではどんなタイプの人が経理事務にむいているのでしょうか。
1.コツコツと地道に作業に取り組むことができる人
経理は縁の下の力持ち的な業務が多く、請求書のチェックや金額の照合など地道な作業が多いのが特徴です。コツコツと頑張れる人が向いている職種です。

2.数字に強い・計算が得意な人
ほとんどの計算はExcelや会計ソフトなどがやってくれますが、データを読み解く能力にはこの二つの要素が大きく関わってきます。

3.コミュニケーション能力がある人
意外かも知れませんが、経理にはコミュニケーション能力が必要となる場面がたくさんあります。直接他部署に出向いて打ち合わせや説明をしたり、取引先に確認の電話をかけたりと、常に人との関りが多い仕事でもあります。

4.勉強に抵抗がない人
経理では常に、税制改正や新しい会計基準などの知識を勉強する必要があります。向上心や好奇心を持って業務に取り組める人に向いている仕事です。

5.集中力を保てる人
お金を取り扱う業務ですので、小さなミスや見逃しが許されません。自分なりに集中力を高めるコツをつかんでいると、この仕事に就く適正が高いと言えるでしょう。

・転職に有利な経験を積める?

経理事務で身に付けたスキルや経験は、転職時にも有利になることが多いです。会社が変わっても業務内容には共通点がたくさんあり、これまでの経験を即戦力として生かすことが可能です。また、経理関係で取得した資格は転職時にアピールできるポイントとなります。難易度の高い資格を有していれば、年収アップを視野に入れた転職活動も可能になります。

・未経験ならではの苦労

未経験歓迎の求人もあるとは言え、実務経験が優遇されることが多い経理事務。でも、諦めることはありません。
狭き門ではありますが、未経験でも就業できる可能性は十分にあります。実務経験優先ということは、能力やスキルに重きを置いているということ。未経験者でも資格や適性、自己アピールを工夫すれば、経理事務を目指すことが可能です。入社してからは勉強の連続で最初は着いていくのが大変かもしれませんが、チャレンジする価値は十分にあるでしょう。

・未経験者には厳しい現実も

とは言え、中途採用の場合は実務経験者を求めていることが多いのが現実です。経理部署はもともと少人数で切り盛りしている企業も多いため募集人数は少なくなります。したがって競争倍率は高めの職種となります。また、未経験歓迎の応募でも経理経験者が採用のライバルにいれば、スキルや実務能力を比べられると不利になってしまうのは辛いところです。

・志望動機は明確に

志望動機で「なぜ、経理事務なのか」を明確に説明することが重要です。他にも事務職がある中で、経理事務を目指すポジティブな動機をしっかりと理由付けできていれば説得力が増します。

・自己アピールを徹底しよう!

「コミュニケーション能力の高さ」や「正確性」「数字に強い」などの適性は、自信をもって自己アピールすることが大切です。一般事務や接客などで身に付けたスキルが、経理事務に役立つことも大いにあります。また、実務経験がない場合こそ、日商簿記などの資格を強くアピールしていきましょう。資格を持っているということは、基礎的な知識を備えている証明になります。資格取得の努力自体が、学習意欲の高さや熱意をアピールできるポイントです。

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【経理事務のお仕事のために取得をおすすめする資格】

経理事務に役立つ資格はたくさんありますが、ここでは代表的なものをいくつかをご紹介していきます。

・就職前に取得しておきたい資格

未経験からの転職を成功させるためには、経理系資格の王道とも言える「日商簿記検定」の資格を取得しておくことをおすすめします。

1.日商簿記検定
・簿記3級
初歩的な商業簿記を学べる基本レベルで、中小企業や個人店舗の実務で役に立つ知識が取得できます。

・簿記2級
商業簿記・工業簿記を学び、就職や転職に有利となるレベルの資格です。
一般的に経理職を目指す場合に取得しておくことがベストと言われており、未経験歓迎の募集でも簿記2級の資格を求められる場合があります。

2.MOS(マイクロソフトオフィススペシャリスト)
経理の仕事ではExcelを使う機会が多く、MOSを取得していればパソコンスキルを客観的に証明することができます。
一定レベル以上の操作スキルがあれば、即戦力として評価が高まる可能性があります。

・仕事を続ける上で取得しておきたい資格

1.FASS検定
経理や財務の実務スキルを客観的に測定するための検定試験で、日商簿記検定に比べて実務寄りの試験内容となっています。合否ではなく5段階のレベルでスキルを評価します。大手企業では認知度が高まってきており、FASSのスコアを評価基準に採用している場合もあります。経理としての実力の証明に、また苦手分野を洗い出して理解を深めるためにも有効な検定です。英語のオプション科目も受験可能ですので、英文経理を目指したい方にもおすすめです。

・転職する際に取得していると有利な資格

1.日商簿記検定1級
極めて高度なレベルの会計知識を習得し、法律・規則を踏まえて経営管理や分析ができる最上位資格です。難関資格ですので、転職市場でも高く評価されます。

2.ファイナンシャルプランナー
お金についての幅広い知識が身につく検定です。税金の申告、投資や住宅ローン、不動産といった生活にも役立つ知識が学べるのが特徴で、金融系への転職にも有利に働きます。

3.公認会計士
医師や弁護士に並んで、三大国家資格のひとつとも言われています。難関国家資格の代表格です。会計事務の知識を持っていることが資格によって証明されるため、即戦力を求める転職市場でも高いアピールポイントになり得ます。

【経理事務のやりがい】

経理事務ならではの苦労もあれば、経理事務でしか体験できないやりがいもあります。プレッシャーや責任の重い仕事だからこそ、達成した時の喜びが次へのモチベーションに繋がりますね。

・決算期の達成感

年次決算関係の業務が目白押しの毎年4月から6月までは、経理部署いちばんの繁忙期です。3月から決算に向けて準備が始まり、棚卸しや残高確認、法人税や消費税の確定申告、株主総会での計算書類の報告などを次々と目まぐるしく処理していかなくてはなりません。業務量も増え、内容の重要性もありプレッシャーがかかるだけに、チーム一丸となってやり遂げた時の達成感はひとしおです。

・会社の課題を発見した時

毎月の試算表データを分析し、今後の対策などを提案することも経理業務のひとつです。「原材料の仕入れ先を切り替えれば、もっと費用を抑えられるのではないか?」というような分析結果に基づき、経営会議への提案を行うこともあります。経理部門も担当部署と協力して、実際に新規仕入先の選定や折衝などに奔走することもあります。その結果、前年比から大きく費用が削減できた時などは、経営に貢献できた実感を味わえることでしょう。

・経理事務のキャリアアップ

日々の業務をこなす中で、着実にスキルが身についていく楽しさを感じやすい仕事です。入社当初は日次業務だけだった担当業務が、次は月次業務、さらに経験を積み評価を上げていくことで、より重要な年次業務と階段を昇るように自分が管理・担当できる業務をステップアップさせることができます。この分野ができたから次はこちら、と目標設定しやすいのが経理業務の特徴です。スキルや知識の向上が実感しやすいので、モチベーションを保って職務に取り組むことができます。

【まとめ】

コツコツとした地味な作業を積み重ねる一方で、多くの人と密にコミュニケーションをとり、会社全体を見渡して働くこともできるのが経理事務ならではの魅力ですね。実務の中で着実に自分のスキルを高めていくこともでき、また資格試験でキャリアアップを目指すこともできる、非常にやりがいのある仕事だと言えます。未経験から経理事務に挑戦するには、少しハードルの高い部分があるのは事実です。しかし、実力優先という側面は「経理への適性」「経理事務へのポテンシャル」「経理スキルを証明できる資格」という強みが大きく生かせる部分でもあります。経理をアウトソーシング化する動きもありますが、だからと言って会社から経理業務がなくなるということではありません。会計ソフトの進歩で煩雑な日常業務は減っていくと予想されますが、企業経営の根幹に関わる部分がアウトソーシング化されることはまずないでしょう。上場企業に義務付けられた「内部統制報告制度」に伴い、社内の経理部門だけではなく公認会計士または監査法人による監査を受ける必要が出てきました。そのため今後も経理事務の重要性が変わることはありません。挑戦しがいがあり、長く続けられるお仕事でもあると言えますね。

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