【物流のお仕事】物流ってどんなお仕事?作業内容や評判をまとめて解説!

2020.05.01掲載
物流のお仕事関連

「物流のお仕事」と聞いて、どんな仕事を想像しますか?
トラックで荷物を輸送したり、倉庫で荷物を出して運搬したりといった仕事を想像するかもしれません。「物流」という言葉の通り、「物を流す(移動させる)」仕事のことではあるのですが、物流の仕事には、それ以外にも、倉庫に保管した商品の管理や検品。商品の梱包から配送など、様々な仕事があります。この記事では、物流の仕事の種類や、その作業内容、やりがいやメリットなどをご紹介します。

【物流の仕事は倉庫、工場、事務と様々】

上でも少しだけ触れましたが、物流の仕事は、モノを運ぶだけではありません。それに付随する、倉庫や工場での仕事もありますし、またそれに伴う事務作業も発生します。ここでは、それら物流の仕事に関する詳細をご紹介します。

・物流業界の仕組みとは?

物流の仕組みは、大きく6つに分けることができます。
その6つとは、「保管」、「荷役」、「流通加工」、「梱包/包装」、「運搬/輸送」、「情報管理」です。
この6つの機能が連携して、製造されたモノを消費者のところまで届けるのが物流業界の主な役割です。物流に関するどの仕事も、上記6つの仕組みの中の一つの業務とされていて、「物流」と言っても、その業務の範囲はかなり広いものになっています。

・物流のお仕事内容とは?

それでは、物流に関する各仕事を詳しく見てみましょう。

1.保管

物流倉庫や配送センターで、長期的、一時的にモノを預かる機能です。そこで届ける時間を調整し、需要者の希望通りにモノを届けます。

2.荷役

物流倉庫の内外で、モノを運搬や移動することを荷役と言います。
荷役の中には、「荷揃え」、「積み下ろし」、「運搬」、「棚入れ」、「仕分け」、「ピッキング」の業務に分かれています。
仕事例:フォークリフトでの棚入れ、出荷前の仕分け作業、出荷する際のピッキング作業、輸入時の通関作業も荷役にあたります。

3.流通加工

入荷されたモノを、需要者のニーズに合わせて手を加えることです。加工工場で行われるケースと、物流倉庫がその機能を持つことがあります。
仕事例:値札やラベル付け替え作業、衣服の検針作業、小口分け

4.梱包/包装

各物流の途中で、傷や破損が発生しないようにモノを守ることです。つまり、梱包材や包装材を使ってモノを保護することを言います。
仕事例:倉庫でのインターネット通販商品の梱包作業

5.運搬/輸送

文字通りモノを運びます。産地から需要者(消費者)への運搬。その間に加工地を経由する移動。配送先が複数あるなど、色々なケースがありますが、基本的にモノを運ぶ業務を、すべて「運搬/輸送」と言います。
仕事例:大型トラックでの輸送、宅配便の小口配送、コンテナ輸送

6.情報管理

インターネットなどを駆使し、上記5つの各工程の可視化、管理を行う業務です。「輸送中のモノがどこにあるのか」、「いつ、いくつ需要者にモノが届くのか」など、製品に関する情報を可視化して、正確に管理する業務です。

・物流業界で活躍するためには?

配送の小口化、商品数の増加を受け、物流会社は顧客から物流すべてに関する業務を請け負う3PL(サードパーティーロジスティクス)を進めており、物流業界全体で、モノを「安全に運ぶ」ことは当然の前提として、安全かつ「いかに効率的に運ぶか」へ急激に変化してきています。今までは配送、倉庫と分かれていた各物流の役割について、全体を俯瞰して連携をスムーズに行うための機能が求められています。目の前の業務を確実にこなすのはもちろんですが、無駄のない連携を考えて実行する意識が重要です。
昨今の物流業界では、荷物の配送状況確認サービスなど、消費者の要望に応えるために、情報管理システムが進化してきています。物流業界の情報自体も高度化されているので、それらを使いこなす、基本的なパソコンや情報端末を扱うスキルが求められるというわけです。とはいえ、物流の基本はモノを運ぶ仕事であるため、倉庫や配送の現場で働く際には、体力が求められるのも事実です。

【物流業界で働くメリットやデメリットは?】

ここでは、物流業界で働くメリットとデメリットを考えてみたいと思います。

・物流の仕事のメリットは?

インターネット通販の成長による物量の増加、人口の減少などの影響で、物流業界は、人手不足の状況にあるといえます。輸送を担うトラックのドライバーも少ない状況です。そういう意味では、他業種に比べ、待遇面も良く、比較的仕事に就きやすい業界であると言われています。物流業界は、専門性が問われることはあまりありませんが、安全衛生管理者や、フォークリフト運転者、危険物取扱者などの資格があると、優遇される可能性が高いです。
また、定期的な研修や、ジョブローテーションを行い、倉庫、運輸、配送といった多様な経験を積める企業もあるため、未経験で仕事に就いた後、スキルアップすることも可能です。

・物流仕事のデメリット

物流業界のデメリットは、業務が計画通りに進みにくいことだと言えます。
顧客都合や交通渋滞、商品の破損など、色々な種類の影響要因があるので、いつどのようなリスクがあり、どれだけの影響があるのか想定しにくいという問題があります。全ての工程は繋がっており、物流の文字通り一つの流れとなっていますので、どこかの工程が止まると一連の流れが止まってしまうことになります。また、インターネット通販市場の拡大による物量の増加に対して、人手が不足しており、労働者ひとりひとりの負担が大きくなっているということもあります。

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【物流業界の将来性】

それでは、現在物流問題が抱える課題と、今後の将来性について検証したいと思います。

・物流業界の課題

先ほど少し触れましたが、現在物流業界が抱える課題は、大きく3つあります。

1.インターネット通販市場の拡大による小口貨物の増加

労働人口が減り始めているにもかかわらず、インターネット通販の物量が増えているため、配送の労働負荷が増えています。また、個人への配送は不在などで効率が悪く、配送スタッフの労働環境は社会問題化しつつあります。

2.ドライバーの高齢化と減少

日本の物流を担うドライバーは常時人出不足なだけでなく、平均年齢も46.2歳と高めの傾向があり(国土交通省調べ)、新たな就労者も大きく増えていないため、物流の過密化と長時間労働が問題となっています。

3.環境への配慮(二酸化炭素の削減)

排気ガスを排出するトラックによる配送は、環境面で問題があります。地球温暖化などが叫ばれる昨今、環境への配慮する必要があります。

現在物流業界では、これら3つの課題の解決が急務となっています。

・日本の流通を支える物流のお仕事

今まで、全国隅々までトラックによる配送網の張り巡らさられていましたが、前項のような課題が出てきているので、政府を中心に、この課題の解決策が検討されています。その最たる例が、「モーダルシフト化」です。これは、排気ガス等を輩出するトラックでの輸送を少なくし、鉄道や船で運ぶという試みです。また、今まで各社が別々に配送していたものを、共同で配送することで効率化を図る試みもされています。

・物流業界の新しい取り組み

労働人口の減少、物量の増加に対応するには、「業務の効率化」を急ぐ必要があります。そうした効率化に対する、物流業界の新しい取り組みを2つご紹介します。

1.AIの導入

今まで、それぞれヒトが行ってきた配送物量の最適化、倉庫での保管、出荷コントロールなどの管理業務を、膨大なデータに基づき全てAIが行うというものです。それにより業務全体の最適化を進め、労働力を最適な形で分配することで物流全体の効率化が進みます。また、人件費や配送燃料代などの削減にも繋がることでしょう。現在、AIで高精度に物量を予測することで、積載量に即した荷物の詰め込みや、配送ルートを最適化する仕組みの導入が検証されており、導入が広がることで業界全体の効率化が期待されています。

2.倉庫現場でのロボットの導入

今までヒトが行ってきた倉庫での作業を、ヒトに代わりロボットが行う、自動仕分けロボットが導入されている倉庫が増加しています。無人で指定の場所に荷物を移動させるAGVロボットや、商品を梱包から配送エリアまで、商品を自動的に運ぶロール式ロボットなど、ヒトがいなくても作業ができる自動仕分けロボットを使った業務の効率化が進んでいます。これにより、倉庫における負担軽減、ミスの撲滅、人件費を含めたコスト削減につながっています。

【物流のお仕事をするには?】

これまで、物流業界についてご紹介してきました。ここでは、どんな物流の仕事があるのかについてご紹介します。

・物流業界で資格がなくても就けるお仕事を紹介

まず、特別な資格がなくても就ける物流の仕事をご紹介します。

【倉庫】
荷物搬入時の荷降ろし、入荷時の検品と処理作業、出荷時の商品のピッキング、商品の梱包、出荷仕分け作業、在庫の管理、伝票やデータを管理する事務
【工場/作業場所】
商品の加工(値札付け、セット組み)
※倉庫で行うケースもあります。

これらの仕事は資格が不要です。
物流業界は、未経験者でも採用されやすい環境なので、自分が興味を持った仕事にチャンレジしましょう。

・物流で資格があった方がよいお仕事
【配送会社】
トラックの配車やドライバーの運行計画を立て、それを監督する仕事(運行管理者)
大型トラックでの配送(大型自動車運転免許)
危険物(ガソリンなど)の配送(危険物取扱者)
【倉庫】
フォークリフトによる運搬(フォークリフト運転技能)
危険物扱いの荷物の保管管理(危険物取扱者)
倉庫全体の管理をする(倉庫管理主任者)

それ以外にも様々ありますが、一般的に資格があると待遇面で優遇されると言われています。

【物流業界で求められる人物像】

物流業界の仕事のあれこれを説明しましたが、どんな人が求められているのでしょうか?

・物流のお仕事でのキャリアアップ

物流業界は、同じ職場内で他の役割を担うことでキャリアアップできるケースがあります。例えば倉庫業務で、仕事に就いた時は倉庫作業を行っていたが、フォークリフトの運転技能を取得して、倉庫内の特定区画全体の管理を任されるようになった例などがあります。また、トラックのドライバーが、勉強と経験を積み運行管理者になったり、事務の仕事においても未経験で仕事に就いたが、簿記の資格を取り経理を含めた事務の仕事全般を任されるようになったりと、様々な形でキャリアアップが可能です。
倉庫での仕事においては、シフト制で仕事が行われることもあり、資格取得に向けた勉強をする時間をしっかり確保できます。資格の有無で待遇面に差が出てくるので、仕事に就いたら今度はキャリアアップを目指すのが良いでしょう。

・物流のお仕事に向いている人

それでは、物流業界でどのような人のニーズがあるのか見ていきましょう。

1.集中力がある人

物流業では、在庫数や入出庫数の確認、配送先に間違いがないか、加工内容に間違いがないか、事務の仕事での様々な管理業務など、「正確性」の有無が重要な要素になります。正確性が求められる仕事を繰り返すことがあるため、集中力がある人が向いています。

2.几帳面で丁寧な人

物流業界のどの分野においても、自分以外の会社、個人の荷物を扱うため、荷物を丁寧に扱えることが重要になります。現場での仕分けの精度や、倉庫内の整理整頓、トラック内の荷物の配置など、業務効率の向上が課題の物流業界で、常に業務の改善を目指す「几帳面さ」は強い武器になります。今後はますます物流全体が繋がり、他社との連携も多くなります。事務の仕事においても、速く正確な情報伝達が必要になるので、「几帳面さ」は大切な要素となります。

3.向上心とやる気がある人

物流業界は、業界内でのキャリアアップに対して寛容なので、キャリアアップを目指す向上心があると良いでしょう。また、「こうしたらもっと良くなる」という目線で仕事をすることで、作業の効率化が図られ、業務改善に繋げることができます。

・物流業界の面接時に気をつけたいこと

物流業界の企業で仕事を就くことを望んでも、面接や書類を通じて、求職者と企業が相思相愛の関係にならないと、なかなか難しいものです。まずその前提として物流業界について理解しておきましょう。また物流業界は、業務の範囲が非常に広いので、業界の中でなぜその企業が良いのか、明確にしておくと良いでしょう。

ここでは、面接の際に気を付けたいことを紹介します。

1.なぜ物流業界なのか、なぜその企業でなくてはならないのか、「はっきり、相手の目を見て」明確に伝えましょう。相手の目を見て返答すると、本気度を感じてもらえ、志望動機の説得性も上がります。志望動機によく使われるフレーズとして、「物流業界の社会貢献度の高さ」、「日本の流通を担う責任の重さ」というのがあります。うつむきながらの返答は、自身がないと感じられ、良い結果が得られない可能性が高くなるので注意してください。

2.自分のスキルや経験をアピールしましょう。仕事の内容はどうであれ、企業は「この人に仕事を任せることができるのか?」という目線で、求職者と面接しています。自分のスキルやスキルが、その求人の仕事を通じで、どの様に企業に貢献できるのかを伝えましょう。
例(倉庫管理業務の場合):
几帳面な性格→倉庫内の整理整頓を徹底→業務の改善→コスト削減に貢献
の様な流れです。内容はもちろんのこと、自分のことを自分の言葉で、自信をもって伝えるようにしましょう。

【まとめ】

物流業界は、求人の種類が多いため、比較的良い待遇の求人が探しやすい業界です。現代は全国的な物量の増加や人手不足に加え、ロボットや情報システムの導入など、業務の効率化に向けて、物流業界全体が変革の時を迎えている時でもあります。業界内の業務の幅も広く、仕事内容も多岐に渡るため、可能性を秘めた、チャレンジングな業界と言えるのではないでしょうか。

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